あの”うだるような“暑い夏が、ようやくすぎて、朝晩は秋らしい気配になってきました。
今年はあまりの暑さで彼岸花の開花も遅くて、お彼岸が過ぎてから見ごろを迎えています。いつも、彼岸花が咲いて「お彼岸が来たよ」と、教えてくれていたのに、地球の温暖化は日常の「いつも」に変化を及ぼしてしまいます。
8月から9月にかけてゲリラ豪雨や台風、地震といった大きな災害が各地で頻繁に起こり、特に能登半島では、1月の地震に続き豪雨による土砂崩れや家屋の浸水・崩壊など、本当に心が痛くなるほど気の毒で、皆様に今一度募金のお願いをさせていただきたいと思っております。その時にはご協力をお願いいたします。
さて、今月は私たち認定こども園や保育所の所管を行う「こども家庭庁」と「こども基本法」について少し述べさせていただきたく思います。
この国の乳幼児期の育ちを支える代表的な施設として、幼稚園・保育園・認定こども園がありますが、これらを所管する省庁をご存じですか?
令和5年までは、幼稚園「文部科学省」、保育園「厚生労働省」、そして、それを併せ持つ施設として誕生した認定こども園は「内閣府」でしたが、令和5年4月に子どもの様々なことに対する司令塔を一本化するということで、「こども家庭庁」が創設され、現在は幼稚園「文部科学省」そして認定こども園と保育園は「こども家庭庁」に代わりました。
先月、新しい保育の研修会が東京大学で開催され、わたくし王寺も安田講堂で、自見はな子参議院議員やこども家庭庁の課長と対談やシンポジウムで登壇させていただいたときに、自見議員から「子どもの成育を社会全体で支えるための法律を作らねばならないと考えて、子どもの権利条約を土台に、子ども基本法が作られた」と、制定までのお話をされました。
皆さんは子ども基本法が制定されたことをご存じですか?
◆どうして子ども基本法を作らなければならなかったのでしょう?
「権利の主体は子どもである」というように、子どもをめぐる環境の深刻化に対して大人の視点だけで解決を図るのではなく、当事者である子どもの視点を尊重すること、子どもの権利を包括的に保障するために制定されました。
◆どのような内容なのかな?
6つの基本理念
- すべてのこどもが大切にされ、 基本的な人権が守られ、差別されないこと。
2,すべてのこどもが大事に育てられ、 生活が守られ、愛され、保護される権利が
守られ、 平等に教育を受けられること 。
- すべてのこどもが、年齢や成長の程度に合わせて、 自分に直接関係することに
意見を言えたり、 さまざまな活動に参加できること。
- すべてのこどもの意見が年齢や成長の程度に合わせて、大事にされ、こどもの今
とこれからにとって最もよいことが優先して考えられること。
- 子育てをしている家庭のサポートが十分に行われること、家庭で育つのが難しい
こどもに家庭と同じような環境が用意されること。
- 家庭や子育てに夢を持ち、喜びを感じられる社会をつくること。
以上のような内容で、子どもは皆、平等に育てなければならないとか、愛され守られる存在であるとか、すごく当たり前のことが書いてあるように思うのですが、ふと日々の子どもとの生活の姿を振り返ってみると・・・・
- 子どもに意見を聞いていますか?
私たち大人は子どものためにと思って、安全に安心して過ごせるためにと、ついつい大人の判断で何事も決めていないでしょうか?
子どもはなぜそうしたいのか、子どもは何を考えているのか、聞いてみないとわからないのです。
- すべては子どもにとってどうなのか?をいつも考えていますか?
難しい漢字やことわざを覚えさせることって、子どもにとっていま必要ですか?
すごく難しい数式や化学式って今子供に必要ですか?
きっと難しいことが好きな子どももたくさんいるでしょうが、「今この子に必要なのか」を考えてみること、そして「どうする?」と、子どもに意見を求めることを法律で制定されているのが子ども基本法なのです。
このことは、今までの子育て支援の在り方をも変えてくれる可能性があると思うのです。子育て支援と言いつつ、労働力確保のために長い時間施設が子どもを預かることや、病気の時にさえも施設で預かることを子育て支援と社会は言っていました。
でもこれからは、「こどもの気持ちや、こどものことば」を大切にすることも同じように大切だよ!って、子どもの視点に立ってくれる社会ができるのです!
安田講堂で私は自見議員とこども家庭庁の課長を前にして、声高らかに宣言しました!
(文責 N・O)